西垣吉之

プロフィール

岐阜県岐阜市の出身です。父母が保育園を経営していたこともあり、小さい頃から夏休みになると、保育園に遊びに行き、子どもたちと一緒に遊んだり生活していた記憶があります。私が小学校5年生の時、登園を嫌がっていた少し体の弱かった4歳児の男の子がいました。理由は今でもはっきりしないのですが、私が一緒に遊んであげると機嫌よく過ごしてくれ、そのことがその子のお母さんに伝わり、「いつもありがとう」と言ってもらったことを今も思い出します。他の人に感謝されることの心地よさを初めて味わったということもあり、中学生の頃には、当時、男性としては珍しく、いずれ幼児教育や保育の道に進もうと決めていました。大学・大学院時代も、保育実践から感じられた様々な課題をもとに問題解決に取り組んでいたため、暇さえあれば保育現場に足しげく通っていました。実際に保育者として働いたのは数年でしたが、30歳の時には現職の短大部(中部女子短期大学)からお声をかけていただき研究職につきました。しかしその後も現場との往還は続き、実践をもとにした研究を進めています。

私の研究手法は、目の前で展開する現象(子どもや保育者の姿など)を丁寧に読み取り、そこにどのような意味があるのかを捉えるという方法です。だから、下手をするとその解釈が自分の主観に陥ることもあると、常に戒めながら進めていました。そんな中、30代の半ばころから、保育の研究会にお呼びいただくことが多くなりましたが、もともと自分に自信がない性格もあいまって、私のような話に耳を傾けていただいている参加者の先生方の姿を見るたびに、申し訳ないような気持になっていたことを思い出します。その自信のなさは今でも変わりませ。ただ、最近、どうも、保育・教育にしても、子育てにしても正解があるような、ないような世界なんだということを強く感じるようになってきました。ただ、人はつい正解を求めたくなるものです。原因と結果がはっきりした方が楽だからです。でも保育や教育・子育ては個別性が強い営みです。育てる人も育てられる人も、教育する人も教育される人も、みんなそれぞれの環境要因を背負っているわけですから。同じ理屈が当てはまることの方がおかしいのです。正解がないからこそ、葛藤していていいんです。悩んでいていいんです。今、葛藤していること、悩んでいる時間が与えられていることを面白がれる自分でありたいと思います。また、今、悩んでいることが、新たな「私」を創るきっかけになると信じてこれからも在りたいと思います。

こんな私ですが、皆さんと一緒に保育・教育、子育てについて考える機会が与えられえることを楽しみにしています。そして、皆さんにとって、お子さんにとって心地よいと思える解決策を考えていきましょう。

クペリパートナーとして

保育や教育の世界もまるで振り子のように考え方が大きく変わってきています。子育てに対する考え方も千差万別。だからこそ、クペリパートナーとしては、「これ!」といった解決策を求めるのでなく、悩んでいる皆さんと一緒に考え、悩むというスタンスで位置づいていきたいと思います。